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いつか、どこでもない場所で

ミュシャ展 @ 森アーツセンターギャラリー  


六本木ヒルズ・森タワーのてっぺんに、アルフォンス・ミュシャ展を見に行ってきたよ、エドワード!
(最近「鋼の錬金術師」を、ぼろぼろ泣きながらまとめ読みしたばかり...)

...ということで、アルフォンスはアルフォンスでも、”鋼の錬金術師”ことエドワード・エルリックの弟ではなく、世紀末のパリにアール・ヌーヴォーを花開かせた一大立役者、アルフォンス・ミュシャの展覧会に行ってまいりました。

ベル・エポックのイメージの強いミュシャですが、実はフランス人ではなく、チェコの出身。美術を学ぶためにパリに来ていましたが、パトロンからの学資援助が途絶え、新聞・雑誌の挿絵を描いて糊口をしのいでいました。そんな彼のブレイクのきっかけとなったのは、女優サラ・ベルナールのためのポスター「ジスモンダ」。
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「ジスモンダ」 1894

ベルナールの信頼を勝ち取ったミュシャは、6年の長期契約を結び、彼女のためのポスターを描くことになります。

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「椿姫」(左) 「ロレンザッチオ」(右) ともに1896
「ジスモンダ」の崇高な表情、一転して可憐な「椿姫」、物憂げな「ロレンザッチオ」...ベルナールの姿形だけでなく、それぞれの色合いのセレクトも実に見事!
時代を超えて、ベルナールに恋してしまいそうになります。
同時代を生きていても、それなりに裕福でなければ演劇を見ることなど叶わなかったのでしょうし、当時のパリ大衆の多くが、実物のベルナールなど知らぬままミュシャのポスターを通して、彼女に憧れたのでしょうね。

評判は評判を呼び、ミュシャの元へはポスターの依頼が続々と舞い込みます。
これは自転車屋のポスター。まぁ、なんというか「ちなみ号」という感じですねえ...^^;
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「ウェイバリー・サイクルズ」 1898

1897年には初の個展を開催。翌年は連作装飾パネル「四芸術」他2作を製作、ウィーン分離派展に出品します。
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「四芸術」から「ダンス」(左)「音楽」(右)

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「絵画」(左)「詩」(右)
優れた芸術作品と出会ったときの心踊る感覚を、そのまま絵画に落とし込んだかのような印象。ドキドキします!

ミュシャの絵画に特徴的なのは、「円環」なのだとか。
背景に描かれた「円環」の外側をシンプルに、内側は細密に描くことで、見る者の視線を主題にフォーカスさせるのだそうです。
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「夢想」 1897

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おお、なるほどっ!(←やめなさい w

そんなミュシャでしたが、1900年のパリ万博でオーストリア政府からの依頼によるボスニア=ヘルツェゴビナ館の装飾を手がけたのをきっかけに、その後半生は、被征服民であるスラヴ民族(当時、彼の故郷モラヴィアも、オーストリア=ハンガリー帝国の支配下にあった)の歴史をテーマとする作品の製作に力を注いでゆくこととなります。
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「スラヴ叙事詩」より 1911-1926

後期の代表作「スラヴ叙事詩」は、20点の絵画からなる大作であることから、来日はせずにスライドでの展示だったのですが、1928年から30年にかけて開催された展覧会のポスターは、ちゃんと見ることができます。
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「スラヴ叙事詩」自体はヘヴィな絵画なのですが、ポスターは、こんなふうにちゃんとコマーシャル...このバランス感覚が素晴らしいと思うんですよね。
高尚な思想も大衆に伝わらなければ意味がない。
商業芸術からスタートし、その足元を見失うことのなかったミュシャ。
ポップな画風の後ろに隠れた素顔は、終生、筋が通っていたのだと思います。

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六本木ヒルズを錬成!

category: 日用美術館

tb: 0   cm: 5

コメント


鋼錬いいですよねー!
今なお私の友達たちは「あの第○話の大佐の泣くシーンがっ!」とか語りますw
私さすがにどのシーンかわかるけど、何話かなんてわからないので聞き役ですが←
でもやっぱりあの最初っからまっすぐにエンディングに進むような漫画はあれ以外見つけられません。すっごい爽快でいい話です( ´艸`)

このアルフォンスは画家ですねー!日本でいう浮世絵でしょうか。
よくこんなにすっきりした曲線がかけるもんだと美術の授業を思い出して感心します。

ヒルズ制覇って、師匠きっとヒルズ族なんでしょう!?w

URL | small mouse #-
2013/04/28 20:08 | edit

こんばんは☆ミ

おお!ミュシャ展行かれたんですね~^^
テレビでも取り上げられたりCM流れてたり今話題ですよね。

ミュシャの絵って個人的に絵画というよりデザインのイメージでしたけど
リアルで絵画的な絵も描いていたんですね。
ポスターのそれぞれも素敵だなぁ…何でかタロットカードのイメージも浮かびます笑
人物も魅力的ですけど、周りの装飾がまた素晴らしいですねi-189
幻想的というか…絵画というよりやっぱりひとつのデザインとしても
完成してるように見えます。すごいi-84
「円環」の技術も面白いですし!
漫画でいう集中線みたいな感じでしょうか…?いや、ちょっと違うのかな…笑
そしてまさかの「ちなみ号」も登場してるなんて笑
いやーでもほんとにポップな画風のポスターから
しっかりした絵画まで描きこなせたってやっぱり天才なんですね。
真はぶれないというところも…!

最後の一枚、迫力あって良いですねi-189
まさに都会!という感じで^^
六本木ヒルズ行ったことないんですが、いろいろ高そうだなと思いました笑

ではでは素敵なレポート読ませて頂きありがとうございました!

URL | 犬山 #mQop/nM.
2013/04/28 20:24 | edit

ネズミの錬金術師ちゃん

> 鋼錬いいですよねー!
いや~、全27巻イッキ読みのカタルシスといったら、もう!
なみだボロボロ、鼻水ぐじゅぐじゅでしたわ!

> でもやっぱりあの最初っからまっすぐにエンディングに進むような漫画はあれ以外見つけられません。
時々、照れが入るのか、コミカルになるところがまた…ね!
突然、「にゃんじゃりばんばん」とかやりたくなる僕としては、大いに共感します…!?

> よくこんなにすっきりした曲線がかけるもんだと美術の授業を思い出して感心します。
ね~。
僕も根性だけは、ねじ曲がっているんですけどね…。

> ヒルズ制覇って、師匠きっとヒルズ族なんでしょう!?w
ほんのちょっとだけ六本木で働いていたことはありますが、ヒルズではありませんでした。
ていうか、僕、どちらかというと原宿系…(←

URL | stick boy #-
2013/04/28 21:54 | edit

♪いーぬー いーぬー いぬやまさん

コメントありがとうございます☆ミ

> 人物も魅力的ですけど、周りの装飾がまた素晴らしいですね
お、さすが犬山さん!目の付けどころがシャープ(←
ミュシャは、この装飾をパターン化した図画集を出版したりしているんですよ!
商魂たくましい…というか、手の内をそこまでさらせるのって、すごいと思います。

> 漫画でいう集中線みたいな感じでしょうか…?
ああ、言われてみればそうかも!
こういう発想が出てくるなんて、さすが犬山さん!

> 最後の一枚、迫力あって良いですね
ありがとうございます。
六本木ヒルズ(森タワー)って、どう撮ってもあの独特の禍々しさに負けてしまう気がしたので、普段はあまり使わないエフェクト機能を使って撮ってみました。

> いろいろ高そうだなと思いました笑
いや~、美術館は美術館、展望台は展望台と、料金をきっちり分けていたりして(つまり美術館の券を持っていても、展望台には入れない…)ホントやらしいっすよwww

URL | stick boy #-
2013/04/28 22:04 | edit

拍手コメントをくださいましたhina.さんへ

コメントありがとうございます^^
「歌も止めていない」とのことで、色々な意味で力づけられます。
春ですからね、ムニエルさんも一緒になって歌いだしたりしてそう...www
僕も、また遊びに行かせていただきます。

URL | stick boy #-
2013/05/01 21:48 | edit

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